SIMフリーのスマートフォンは、日本市場でも何種類か発売されるようになってきましたが、数年前は、ほとんど発売されませんでした。しかし、稀有なSIMフリースマートフォンが日本で発売されていましたので紹介します。

ウィルコムのHYBRID W-ZERO3です。

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この端末は、Windows MobileというOSを積んだスマートフォンです。現在のWindows Phoneの前身にあたるOSです。

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HYBRID W-ZERO3は、ウィルコムから発売されていた人気のスマートフォンW-ZERO3シリーズの最後を飾る端末でした。発売日は2010年1月28日。

W-ZERO3シリーズは、PHSのウィルコムから発売されており、ウィルコム独自のSIM、W-SIMというもので通話と通信をします。そして、W-SIM以外に驚くべき仕様で発売されました。3G用(通信専用)とGSM用のSIMスロットを搭載しているのです。つまり、W-SIM、3G、GSMと3つのスロットを持つ変態スマートフォンなのです。

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何故、こんな仕様になってしまったかというと、当時のウィルコムではXGP(今のソフトバンク4G)を推進しようとしていました。そこで、PHSとXGPのハイブリッド端末を出す予定だったのですが、XGP事業が頓挫してしまい、急遽、3Gに仕様を変更してリリースした、と私は予想しています(あくまで、予想です)。

ウィルコムは、XGPの頓挫、通信カード市場の他社のシェアの増加などにより、会社更生法の適用という辛い時代に突入するのですが、その直前にリリースされた悲劇のスマートフォンがHYBRID W-ZERO3です。悲劇ではあるのですが、3つのSIMスロットを持つという、世界でも聞いたことのない、喜劇のようなスマートフォンとなりました。

なお、GSMスロットのSIMカードを使う場合は、W-SIMをGSM専用SIMに変更してから、GSMスロットにSIMカードを挿します。これが海外に行くと、非常に面白い使い方ができます。3GのSIMスロットに現地の格安通信定額SIMを挿し、GSMスロットにドコモやソフトバンクのSIMを挿します。こうすると、GSMの国際ローミングでドコモやソフトバンクで通話ができ、現地SIMで通信ができるという不思議な端末が完成します。とにかく3つもSIMスロットがあるので、いろいろな組み合わせの利用が可能になっています。

さらに、凄いのがHYBRID W-ZERO3の料金プランは、3Gの通信料はかかりますが、PHSによる通信料が無料になっています。つまり、3G通信を行わないと、基本料金だけで、通信し放題という破格のプランになっています。

通信設定例です。PHSと3Gの通信設定を混在させることができます。3G通信はSIMフリーですので、ドコモのMVNOのSIMなども利用できます。

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悲劇のHYBRID W-ZERO3は、その後、Windows Mobile自体も終了してしまい、PHSと3Gを搭載した最後のスマートフォンとなりました。

現在使うのであれば、普段はPHSの無料通信を利用して、PHSの電波が届かない用に、3Gスロットに月額格安のMVNOのSIMを挿しておくと、リーズナブルに活用できるでしょう。

稀有な存在のスマートフォンHYBRID W-ZERO3の紹介でした。